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2009-04-28 [現代思想・入門]

ハイデガー存在論への展開
「存在」そのものへの問い
 『存在と時間』
  第二章 存在問題の開発における二重の課題 考究の方法および構図
第七節 考究の現象学的方法
 「現象学」   第一義的に、方法概念を意味する
          「事象そのものへ」という格率

A 現象の概念
 現象 (Phänomen)   ありのままに己を示すもの
 仮象 (Schein)  (いかにも)……のようにみかけられるもの
 《現象》 (Erscheinung)   己を示すものを介して、己を示さないものが通示されること
 《たんなる現象》 (blosse Erscheinung)

 現示
  Aというものがありのままに現われている(現象)とか、
  ありのままでなく、Bらしく現われている(仮象)とかする場合、
  そのものが己を現わしている。 これが現示である。

 通示
  そのAが現われていることが、何か他の事柄(X)の存在を伝えてくるとき、
  そのXはAを通じて示されるので、このことを通示という。
  その場合、Aが現われていること(現象であること)が必要である。
  Xは、現示されずに隠れているから、《現象》するにすぎない。
  さらに、そのAが仮象である場合(現象の欠如態である場合)、
  Xは《たんなる仮象》になる。 すなわち、その通示も欠如態となる。 

 現象「の学」の意味を明瞭にするために、ロゴスの意味を画定する。

B ロゴスの概念
  λόγος   根本的意義「話」→理性、判断、概念、定義、根拠、関係など

  言明→判断 是認や否認などの態度決定のことではない
  
  話のなかで話題になっているものごとをあからさまにすること

  あるものを拳示的に見えるようにする→綜合という構造形式を備える可能性
   何かをあるものとの繋がりにおいて、何かをあるものとして見えるようにする。

  見えるようにすること→真もしくは偽でありうる
   「真であること」   存在者を隠れから取りだし、見えるようにすること。 発見すること。
   「偽であること」   蔽い隠すという意味であざむくということ。

    ギリシア的真理概念
     λόγος よりもいっそう根源的に、
     あるものをそのまま覚知するという意味での αἴσθησις こそ「真」なのである。

  存在者を覚知させる→理性

  拳示されたものそのもの→根拠

  あるものとの関係において見えるようになったもの→関係、関わり

C 現象学の予備概念
 形式的および通俗的現象概念の意義からみて、存在者を
 それが自ずから現われてくるとおりに挙示するいかなる態度も、現象学と称する権利をもつ。

 現象学的な現象概念へ
  格別な意味での「現象」とは何か→存在者の存在である

 現象学とは、存在論の主題となるべきものへの近づき方であり、そして
 それを証示的に規定する様式である。
 存在論は、ただ現象学としてのみ可能である。

 「現象的」
  現象という出会い方で与えられ、展開されうるようになった事柄を指す名称

 「現象学的」
  挙示と展開の仕方にぞくし、また
  このような研究で必要になる概念組織をなすすべてのものを指す

 現存在の現象学は、根源的な語義における解釈学である。
 現存在の存在の解釈としての解釈学は、実存の実存性の分析論という意味を帯びる。

 哲学の根本的主題としての存在は、存在者の類ではない。
 存在と存在構造とは、いかなる存在者をも超え、
 存在者のあらゆる存在的規定性をも超えたところに位する。
 存在は絶対的超越である。
 現存在の存在の超越は、そのなかにもっとも根底的な
 個体化の可能性と必然性とが伏在しているかぎり、殊別的な超越である。
 超越としての存在を開示することは、すべて、超越的認識である。
 現象学的真理(存在の開示態)は超越的真理である。

第八節 論考の綱要
 第一部 現存在を時間性へ向かって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する。

 第二部 時節性の問題組織を手引きとして
      存在論の歴史を現象学的に解体することの綱要を示す。







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