2009-05-13 [現代思想・入門]
【現象学から実存主義へ】に関する主要人物の解説とキーワード
キルケゴール (1813-1855) デンマーク 現代的な意味での実存主義哲学の創始者
人間の存在を、歴史的な意味、普遍的な意味として捉えないで、
その人間に固有の意味として捉えようとする。
人間は社会的な意味あいをもっているが、反面その人の「生きていること」は、
一回限りで他人とは交換不可能な絶対的な側面(=〈実存〉の側面)をもつ。
不安や絶望が、人間にとって生きるということにつきまとう根本的な状態であり、
〈信仰〉とは、絶望がきわまったときに人間の精神が遂行するひとつの「奇跡」である。
K・ヤスパース (1883-1969) ドイツ 精神医学者、実存主義哲学者
キルケゴールの思想を広く世界へ紹介。
〈実存〉とは、人間にとって決して客観となりえない(把握できない)ような、
生きていることの事実性を指す。
この考え方は、人間にとって超越的なものが存在するという場所から
〈神〉や〈宗教〉の場所へと接続されてゆくことになった。
『精神病理学総論』/理想社「ヤスパース選集」/1913年(原著発表年)
A・シュッツ (1899-1959) オーストリア 社会学者
フッサールの現象学の考え方を社会学において実践した。
「生活世界」の概念をうけて、人間が日常的な現実である常識的世界(いわゆる社会)を、
どのように主観のなかで構成してゆくのかを主要なテーマとした。
H・G・ガダマー (1900-2002) ドイツ 哲学的解釈学
真理とは何であり、どういうかたちで求めえるものなのかという問いを中心の課題とする解釈学を、
フッサール現象学、ハイデガーの存在論などを経由して独自のものに仕上げた。
人間の経験は本質的に言葉において可能になっているのだから、
真理は言葉によってのみ表現されるものである。
言葉のあり方は、すでに歴史というものを含み込んでいるのだから、
人間の経験というものは、言葉や歴史のうちにあるのであって、
経験が言葉や歴史を生んでゆくのではない。
歴史を解釈するという行為は、ある絶対的な解釈を真理として取り出すことではなく、
人間と歴史との弁証法的な行為である。
『真理と方法―哲学的解釈学綱要』(池上・山本訳/晃洋書房・抄訳「解釈学の根本問題」所収)
キルケゴール (1813-1855) デンマーク 現代的な意味での実存主義哲学の創始者
人間の存在を、歴史的な意味、普遍的な意味として捉えないで、
その人間に固有の意味として捉えようとする。
人間は社会的な意味あいをもっているが、反面その人の「生きていること」は、
一回限りで他人とは交換不可能な絶対的な側面(=〈実存〉の側面)をもつ。
不安や絶望が、人間にとって生きるということにつきまとう根本的な状態であり、
〈信仰〉とは、絶望がきわまったときに人間の精神が遂行するひとつの「奇跡」である。
K・ヤスパース (1883-1969) ドイツ 精神医学者、実存主義哲学者
キルケゴールの思想を広く世界へ紹介。
〈実存〉とは、人間にとって決して客観となりえない(把握できない)ような、
生きていることの事実性を指す。
この考え方は、人間にとって超越的なものが存在するという場所から
〈神〉や〈宗教〉の場所へと接続されてゆくことになった。
『精神病理学総論』/理想社「ヤスパース選集」/1913年(原著発表年)
A・シュッツ (1899-1959) オーストリア 社会学者
フッサールの現象学の考え方を社会学において実践した。
「生活世界」の概念をうけて、人間が日常的な現実である常識的世界(いわゆる社会)を、
どのように主観のなかで構成してゆくのかを主要なテーマとした。
H・G・ガダマー (1900-2002) ドイツ 哲学的解釈学
真理とは何であり、どういうかたちで求めえるものなのかという問いを中心の課題とする解釈学を、
フッサール現象学、ハイデガーの存在論などを経由して独自のものに仕上げた。
人間の経験は本質的に言葉において可能になっているのだから、
真理は言葉によってのみ表現されるものである。
言葉のあり方は、すでに歴史というものを含み込んでいるのだから、
人間の経験というものは、言葉や歴史のうちにあるのであって、
経験が言葉や歴史を生んでゆくのではない。
歴史を解釈するという行為は、ある絶対的な解釈を真理として取り出すことではなく、
人間と歴史との弁証法的な行為である。
『真理と方法―哲学的解釈学綱要』(池上・山本訳/晃洋書房・抄訳「解釈学の根本問題」所収)
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